909MODIFYによるdotAIOのコンパチカトマイザーです。
AIOのカートリッジ型アトマイザー=カトマイザーという認識なんですが、合ってるんですかね。
昔eGo系が流行っていた頃、リキッドが入るカートリッジとアトマイザーが一体となったものをカトマイザーと呼んでいたようなことを聞いたことがあります。もはやRTAとも言えるし今でいうPODとも言えそうで、結局なんだかよく分かりませんでした。
そんな折、BBに代表されるようなAIO系も流行を迎えている昨今ですが、そこで用いるアトマイザーのことをカトマイザーと表記しているものもよく目にします。
個人的には上記の認識が勝手にしっくり来ているので、その表記で行きたいと思います。
909MODIFYというメーカーは初めて聞きました。製造は中国のようですが、メーカー自体はアメリカのカリフォルニアにあるようです。
まだラインナップはこれだけなのかな。
VAPE SHOP 遊人さんが仕入れてTwitterにて告知をしていたのを目にし、その構造に一目惚れしてしまい、ついつい衝動買い。
dot系のRBAカトマイザーといえば既に色々なプロダクトがありますが、今回はその最新版ということになりそうです。
自分はdot系初期の頃にリリースされた「dotshell」を使っていますので、部分的にそちらとの比較にも言及しながら見ていきたいと思います。
スペック
(一部本家ストアページから引用)
・DotAIO V1&V2互換
・DotAIO V2 タンク搭載
・チムニー構造がフレーバーを強化
・M2.5×3.5ポストスクリュー
・デッキは内径3.0mmまでのクラプトンに対応
・調整が簡易な1ピースエアフローリング
・14×1 Oリング
・ポジティブポストは電導性の良いゴールドメッキ
・ステンレス製
・510接続アダプタ付き
パッケージ
缶のパッケージです。
中部が密接しないデザインになっていてなかなかカッコイイ。
サイドにはスクラッチコード。
なんですが削ったらこんなんになりました。
なんやねん。
もし無事な方は本家ストアからチェックできるようです。
輸入品だと裏側とかに潰れがあるのはもはやお決まりですね。潰れてないのを見る方が珍しいまであるかもしれん。この辺はもうしょうがないですね。
付属品は結構充実しています。特にシリコン関係が多いのは嬉しいですね。
あとは説明書。分解図があるので、バラして洗浄した後組み直すときに助かります。
外観
まず目を引くのはチムニーの入り口にかけての極端なテーパー構造。
カトマイザーはdot系もBORO系も構造としてはチャンバー上部がフラットだったり、少しアールがかっている程度のものが多いと思いますが、今回のものはこれでもかとガッツリテーパーになっています。
ここまでのものってRTAでもあまり見た記憶がありません。
これがどの程度まで美味しさに寄与するのかとワクワクしてしまい、ポチッてしまった最大の要因です。
タンク自体はdotAIO V2付属のものと全く同じのようです。
シリコンキャップを開けると内側に漏れ防止の弁がありますが、ガラススポイトだったりボトルノズルが太いものだとちゃんと入らず漏れますし、粘度が柔らかいリキッドでもボトルを引き抜いた際に一緒に漏れてきます。
これ地味に嬉しかったのは、TITA AIOを使ってもキャップがカバーに干渉しないんですよね。TITAのパネルってTITAのタンクに合わせて溝が彫ってあるんですが、dotAIO V1のタンクだとキャップが干渉しちゃってちゃんとパネルが閉まらないんですよ。V2も溝の位置はズレているんですが、厚さの問題なのかちゃんと閉まってくれました。
エアフローコントロールはダイヤルによる無段階の調整式。
動きは少し固めですが、爪を少し引っ掛ければスッと回るので、調整にそこまでストレスはないです。
全開だと結構引っ掛かりのあるDL、RDLでも真ん中くらい。
全閉だとほんのわずかに吸えるくらい。
調整幅としてはすごく広いとまでは言えないものの、しっかりと効いてくれます。
効いてくれはするんですが、1/3程度まで絞ると少し笛鳴り音がするのは気になりますね。半分くらいまでなら大丈夫。
ポジピン部分はデッキとほぼフラットになっており、全長自体もdotshellより少し短いからか、MODとの着脱がかなりスムーズで楽です。
dotshellの場合だと、タンクの爪に引っ掛けて取るとき、タンクの後ろの方が本体に引っ掛かり、タンク全体を平行気味にスライドさせないと脱着できなかったのですが、909dotRBAの場合は変な引っ掛かりもなく、ストレスフリーです。
自分はすぐにコイル状態とか気になってデッキ部分見たくなっちゃう人間なので、着脱がスムーズに行えるのは結構嬉しい。
リキッドの供給方式は滴下式。
上部からリキッドが垂れてコットンに供給するのを勝手に「滴下式」と呼んでいますが、これもなんか正式名称とかあるんですかね。
カトマイザーは構造上、多くがこの方式になってると思います。
ジュースホールはそこそこ大きくて、少し粘度が柔らかめなリキッドであれば、デッキを外して立てた時にダバァと漏れてくるくらいの大きさです。
デッキ構造
複数の細長いエアホールが、ボトム~サイドにかけてどんと設置されています。
「3Dエアフロー構造」と呼んでもよさそうな出で立ち。いかにも中~低抵抗向きっぽい感じがするが果たして。
一応ウェルというか、コットンの足を入れる部分もあります。
最初は「コレいるんか」と思っていましたが、これがあることでコットン量が増やせますし、コットン量が増えるということはリキッドの保持量が増えるということなので、低抵抗でコイルを組んだ際にもイガりにくくなります。
今回のような滴下式だとどうしても供給スピードにはある程度限界があるので、いかにコットンにリキッドを溜めておけるかというのは、ハードチェーンする場合には結構重要ポイントになります。まあそれと漏れの危険性はトレードオフなので、バランスは大事だと思いますが。
なにより足の収まりってあると安心する。「入れとけばいいんだー」みたいな。
ビルド
ファーストビルド前は切削油とか残ってる可能性があるので、お湯や中性洗剤で洗浄しておきましょう。
ビルド自体は超シンプル。
コイルの足をポストの横から通して、イモネジを閉め、コイル足をカットするだけ。
めちゃくちゃオーソドックス。
コイルジグを置くガイドもあるので、それに合わせて置けば高さもOK。
dotshellの場合、ネジにコイル足を巻き付けながらネジを締める必要があったのですが、これは壁があり、コイル足が逃げないようになっているのでかなり楽です。
しかもネジと壁のクリアランスはほぼないし、反対側には返しがあるので、細い単線であっても足が逃げてしまうことはなさそうです。
ガイド通りにコイルを設置すると、ポスト部分が結構高い壁のように見えます。
これがミストに指向性を持たせてくれるのでなんか美味しそうに見えます。
ちなみに、ビルドする際は510接続アダプタを付けるんですが、この手のものってオームメーターとかから外そうとするとカトマイザーだけ取れてアダプタだけ残っちゃったりするじゃないですか。それがまぁ取りづらいのなんのって。
ですが今回のアダプタはアダプタ自体に高さがあり、ローレット加工もされているので指の引っ掛かりもよく、単体での取り外しがかなり楽でした。
今回試飲で使うリキッドはBREWERYの「APPLE TEA」。
レビューしてないやつなんですが、ほんのり清涼剤の入っている甘いアップルティーという感じで美味しいやつです。そのうちレビューするかもしれません。
まずは単線の中抵抗から組んでみます。
ワイヤー:Ni80 24Ga
内径:2.5mm
巻数:7巻
抵抗値:0.62Ω
コットン:COTTON BACON PRIME
スペックでは内径3.0mmのクラプトンまで対応となっていたんですが、結構ギリギリっぽかったし、供給的にコットン量をこのくらいまでにしときたかったので2.5mmで組んでみました。
20~24Wくらいで吸ってみます。
柔らかめなミストが出てきます。
もっとガツンとした味わいのミストかと思ったんですが、味の角が取れたようなふわっとした感じです。
これがRTAっぽさというやつか。
りんごの風味は出ていますが、甘さはかなり抑えめで、吐き終わりに若干の紅茶っぽい渋みを感じる程度。
ダイレクト感とは逆に、味を少し離れたところから俯瞰している感じ。
ミストがややドライ気味に感じたのはたぶんコットンワークのせいですね。ちょっと供給が足りていないような感じになってしまいました。
そこそこ梳いたつもりだったんですが、まだ足りなかったようです。
次に高抵抗を組んでみます。
ワイヤー:Ni80 26Ga
内径:2.5mm
巻数:9巻
抵抗値:0.90Ω
コットン:Cloud9
さっきの反省を活かし、コットンワークを少し工夫してみます。
コットンワークについてですが、まずコットン自体に求められるのは「吸水性」と「保持量」。自分の手持ちでこれらをハイレベルで満たすのは「KENDO COTTON GOLD」と「Cloud9」でしたが、KENDOの方は保持力が圧倒的過ぎてRTAで使うとエアホールからの漏れの恐れがあるため、今回は「Cloud9」をチョイス。
こちらも両方がトップクラスで、KENDOほどではないもののRTAで漏らす可能性があるんですが、なにより吸水性がすごいというところに期待。味の面でいえばCloud9かな。とにかく澄んでいてクリアな味が出る印象。
このCloud9をコイルに通し、デッキの角くらいでカット。
思いっきりふわっとさせます。
コイルの高さちょい上くらいを水平にカットします。
それをさらに梳きます。ガッツリ梳きます。
これで、ただでさえ吸水オバケのポテンシャルをさらに引き上げていく。結局漏れ覚悟。
ですがリキチャしてみたり、ハードチェーンしてみたり、1日放置してみたりしましたが、特に漏れることなく維持できていました。
「2~3秒パフを5回」という1セットでも供給の問題はありませんでした。ジュルりもなし。
12W~18Wくらいで吸ってみた高抵抗ですが、案の定「ちょっと違うなぁ…」という感じ。
とにかく味の輪郭がぼやけてしまいます。
まとまりがなくて何を吸っているのかよくわからない。
エアーを絞ってみても入り口の流入量が減るだけで、コイル自体には拡散して当たるので流速が足らない感じです。
やはり中抵抗以下のほうがいいのかも。ということで今度はクラプトンで組んでみます。
ワイヤー:Ni80 23Ga
内径:2.5mm
巻数:5巻
抵抗値:0.51Ω
コットン:Cloud9
22W~26Wくらい、エアフロー全開で吸ってみます。
うおっ!!めちゃめちゃ濃い!!
ハードチェーンしても供給に問題なく、シルキーで密度の高いミストが余すところなくシュゴォー!と口の中に入ってきます。
りんごの蜜のような甘さが飛び込んできて、紅茶らしい高貴な風味と一緒に抜けていく感じ。紅茶の渋みっぽさはなくなって、りんごジュースに近づきました。
かなりハードに吸った直後にデッキを見てみましたがこの状態。
供給力も保持力もバッチリ。漏れもなし。
フィッティング
まとめ
いいですね!
正直、美味しそうな気はしても「期待」というよりは「好奇心」で買ったので、どっちに転ぶかなーって感じだったのですが、良い方向だったようです。
ビルドしてみた感じ、個人的には中抵抗がいいかなーというところ。
特にクラプトンで組んだ時はめちゃめちゃ濃厚でかなり好みな味の出方でした。
ドロー感としてはボトムエアフローですし、エアホールの形状も形状なので、「引っ掛かりのないキレイな」とはいきませんが、面でコイルに当てて、それをチムニーでギュッとまとめ上げているのが伝わってきます。
低抵抗で組んでみたんですが、ちょっとミストが熱かったので、やはり中抵抗がベストでした。
この手のカトマイザーにしては値段が7,980円と安価な方ですし、「AIOでも高抵抗だけじゃなくてそれなりの煙量ほしい」という方にはオススメできますね。
↓こちらで購入しました。